スペインでは…
本場スペインでは、どのようにタイルが
使われているかご存知ですか？
一歩街に出ると、そこはまるでタイルの屋外美術館。
普段の生活に溶け込んだ決して特別な存在ではない
タイルは、長い歴史を通してスペインの人々の暮らし
を豊かにし私たち日本人には想像もできない様な場所
や用途で使われています。
彼らの生活に欠かせないタイルは、高い芸術性を
兼ね備えた実用品なのです。
彼らの暮らしとタイルの結び付きは、私たち
日本人にもプラスになるアイディアがいっぱい。
そんな暮らしのヒントをご紹介します。
住宅の窓枠やエントランス部分のタイル装飾は、
たとえ安価なタイルであってもとても華やかな
印象を与えてくれます。建物全体ではなくても
素敵なアクセントとなり、スペインの建物には
欠かせない装飾箇所となっています。
ヨーロッパにおいては素敵な木枠窓が多いので
タイルとの相性が良いのかもしれませんね。
バルコニーの床裏（下階天井）を飾るタイル。
住んでいる人には見えないけれど、街を歩き、上を見上げた人だけが見ることのできるとっておきの贅沢タイルアート。
こんな場所をも可愛くしてしまおうだなんて、一体誰が思い付いたのだろうか…と私が一番驚いたタイルの使い道でした。
もしかしたら、暑い暑いスペイン南部の都市には素敵なパティオがあるのがヒントになったのかもしれませんね。
メンテナンスは大変かもしれませんが、アートを生活に取り入れるのが最高に上手いスペインならではの素敵なアイディアの一つではないでしょうか。
... スペインの中でも特に陶芸が盛んなバレンシアのマニセスには、タイルを観る目的でこの街を訪れる価値があるほどの多くの作品が残されています。市場や公園、駅のホームには素晴らしいタイルが張り巡らされ、それぞれの場所に意味のある題材を描いた素晴らしいタイルを沢山目にする事ができます。
このタイルは、駅のホームに貼られた可愛らしい列車をモチーフにした可愛らしいタイルです。
電車を待つ人々がスマホから目を離し、タイルに注目してしまいたくなる様な、ほのぼのとした心なごむ作品が各駅ごとに私たちを魅了してくれます。
写真屋さんの外壁には、昔ながらの懐かしい画が描かれていました。今ではほとんど見られなくなったこの光景や写真屋さんの歴史も、これらのタイル画を通して私たちは身近に感じることができるのです。これって、とても素敵なことだと思いませんか？
この様な形で建物に歴史を刻むことが出来るのも、幅広い用途と芸術性に富んだタイルならではなのかもしれません。そして忘れてはならないのは、これらの素晴らしい作品を手掛けたタイル職人たちの確かな技術がタイルアートの存在を支えているという事。さすが、芸術の国スペインですね。
街の標識や道案内、建物の名称や住所を示す看板に至るまで、もちろんここでは全てタイルがその役割を引き受けています。
街の特色を絵付けする色やモチーフで描き分け、それぞれの地方独特のタイルを生み出しています。
訪れた街ごとにタイルに注目して、その街を深く知るきっかけを作るのも素敵です。お土産にも欠かせないスペインのタイル。街には沢山のタイルの楽しみ方があります。
公園には、こんな楽しいタイルもありました。
人の集まる場所には、子供も大人も楽しめる様な作品を取り入れて私たちを楽しませる工夫がされているのも素敵です。
これらのタイルを背景に公園で遊ぶスペインの子供たちは、きっとタイルに描かれた絵を話題にお友達と楽しい時間を過ごしているのだろうな、と思うとちょっと羨ましくもなります。
石榴のナンバープレート。
グラナダのシンボルである石榴は、街中に貼られた表札や看板に多く登場しています。セビージャと同じアンダルシア地方に位置するグラナダも陶芸で有名な街の一つ。至るところで素敵な陶芸作品と出会うことができます。
ヴェルデコブレ（銅を焼成することにより現れる美しい緑色）を使った私の大好きなセラミックプレートにも、沢山石榴が登場しています。アンダルシアの街歩きは、タイル好きには最高にオススメのスペインでの過ごし方の一つです。
ホテルの部屋番号もルームキーも、もちろんタイル。
スペインの街は、どこへ行ってもタイルとの出会いが欠かせない場所。
ぜひ、あなたもお気に入りのタイルを見つけてみませんか？
西美里愛のタイル教室では、この他にも沢山の資料と画像と共にタイルの歴史や素敵な作品をご紹介しています！